EXHIBITION:
静岡県出身のアーティスト白砂勝敏は、造形美術と音楽を融合させた独自の表現を追求しています。
自然の力に寄り添いながら生み出された作品群には、生命の循環や感情の痕跡が宿っており、観る人の心に静かに響きかけます。
本展では、美術家・演奏家として活躍する白砂勝敏のこれまでの創作の中から、選りすぐりの作品を展示いたします。
石や木、金属など多様な素材との対話を通じて生まれた造形作品や、自作楽器による音の表現など、ジャンルにとらわれない自由な創造の世界をご覧いただけます。
本展を通じて、創造することの楽しさや、前向きな感情が少しでも皆様に届けば幸いです。
白砂勝敏 Shirasuna Katsutoshi
美術家・演奏家(パーカッション/ディジュリドゥ/ムビラ奏者)
1973年静岡県出身。県立田方農業高校造園科卒業後、造園業や放浪生活を経て美術家に転身。美術・音楽ともに独学。
2008年、モンミュゼ沼津・沼津市庄司美術館にて初個展(館企画)。
石、木、金属など多様な素材を用い、素材との対話を通じて規定概念に囚われず、素材の特性を生かした自由な表現を追求し、作品を創出している。
また、演奏家として、壊れた楽器や不要物を生かして楽器を制作し、自ら演奏している。
2025年7月末までに、美術館・ギャラリー等で企画個展55回、グループ展130回など、精力的に活動している。
「地図のない旅」につきまして
20歳頃、人生を振り返り、それまで表面的に生きてきた自分と本気で向き合いました。
空っぽの自分と向き合うのは、それまで生きてきた全てを否定することになるので、とても辛いことでした。
ですが、そこで全てを受け入れ、「人生一度きりなのだから、やりたいことしかやらない」と腹を括りました。
そして20代の殆どを放浪、「地図のない旅」に費やしました。
35歳の時、初めて行った美術館で声をかけられました。それまでアートに触れることのない人生でしたが、以来16年ほどアートを生業に生きております。
16年前に声をかけられたモンミュゼ沼津・沼津市庄司美術館で、また展覧会を開催していただけること、誠に感謝しております。
本展では、美術家・演奏家 白砂勝敏のこれまで制作してきた作品群の中から抜粋した作品を展示いたします。
ジャンルにとらわれることなく自由に創造する楽しさなど、少しでもポジティブな感情が伝わっていただければ幸いです。
「私はそこにある生命体を描くのではなく、そこにある生命力を描きたい」
—— 白砂勝敏